測量士の祖父の働く姿を見て、この道へ。
もう少しくらいの雨は平気になりました。

Interview

加藤陽菜さん

Hina Kato / Age 19

旭川工業高校卒 / 二級土木施工管理技士
株式会社協和コンサルタント / 調査部 測量担当

高校時代の成績ですか?測量と土木はよかったです(笑)。

祖父が測量の仕事をしていたので、小さい頃から図面を描いたり機械を動かす様子を見ていました。意識したのは中学のとき。面白そうだな、図面描いてみたいな、と思って進学先に工業高校を選んだんです。この仕事は圧倒的に男子が多く、就職先も男子の募集が圧倒的。「女子でも受け入れてくれる会社」を探してここに入社しました。

まだ入って1年足らずですが、多くのことを経験しました。管理技術者や先輩たちを手伝うので、仕事の内容は本当にさまざまです。測量にはドローンを使うのですが、私の役割は現場で先輩がすぐ使えるように準備すること。使用目的や飛行時間を事前に申請するなど管理が細かいうえ、現場では本体にカメラを取り付けたり翼を組み立てたり、バッテリーをセットするなど付随する仕事がたくさんあります。去年の夏は猛暑の中2カ月間ずっと現場に出ていて、最初は先輩たちに心配されましたが、だんだん体力が付いて重い機械も自分で背負って行けるようになりました。うれしいのは、単純ですが誤差なく杭が打てたときでしょうか。

測量機「トータルステーション」。予めデータを取り込むのも、現場に背負って行くのも陽菜さんの仕事。

現場に運んでプロペラを組み立て、カメラを取り付けてバッテリーを装着。飛行時間の管理を含め、技術者の操作を補佐します。

「成果品」の一部に関われることが、やりがい。

冬は内勤で、地積測量図と確定測量図といった図面作成の仕事が中心です。楽しいのと難しいのがあります(笑)。何日もかけて描いた図面が、先輩のチェックでも問題がなかったときはほっとしますね。完成した図面を納品する準備も私の仕事です。図面は見るとき広げやすいように型を使って折り畳み、分厚いファイルにはパソコンでデザインした表紙やインデックスをつくってはさみます。まわりの人が「いつも仕上がりがきれいで見やすい」とほめてくれます。こうして自分のつくった資料や図面が役所に提出する「成果品」の一部になったときに、これが「やりがい」なのかなと感じます。仕事が細かくてきれいな祖父の影響かも知れません。おじいちゃんは80歳ですが現役で働いています。私も長く現場で頑張りたいと思います。就職のときは「女子は無理」と言われていましたが、無理じゃないです。頑張れば女子でも現場に出られます。

おじいちゃんには「おいていかれないよう頑張れ」と励まされています。これからもっと経験値を積んで、まず測量士補の資格を取りたい。早く受かって現場で生かせるよう、家で勉強中です。今年の夏も現場に出るのが楽しみです。

「確定測量図」はA全判。それをA4になるよう決まった折り方でていねいに畳んでファイルしていきます。

取材日:2022年3月1日