器用な方じゃないし、男の人のような力もない。
でもていねいな仕事を心掛け、
28年頑張ってきました。

Interview

佐々木すみれさん

Sumire Sasaki / Age 48

旭川工業高校土木科卒 / RCCM、一級土木施工管理技士
株式会社ダイイチプラニング / 技術部 主任技師

土木科80名の中で女子は私だけ。でも好きだから面白かった。

実は別な会社で同じ仕事を11年していたんです。何かを変えたいと思って転職したのですが、やはりこの仕事に就いてしまいました(笑)。今担当しているのは小学校の校舎建て替えに伴うグラウンドと学校敷地の外構設計。法令を踏まえて遊具や駐車場のレイアウトを提案するのですが、やはり自分の考えや自分らしさが表れますね。いくつかのパターンを用意して発注者と打ち合わせをしながら決めていきます。こうして担当した仕事は最終的な納品図面の作成まで行うのですが、いつも文字の大きさや配置を考えて見た目もきれいに仕上げているせいか、ほかの担当者の納品図面を頼まれることもたびたび。上司に褒められるところを見ると、私には向いている仕事かも知れません。(笑)

この道へ入るきっかけは、遡れば小さい頃かも知れません。いつも近所の男の子に混じって遊んでいて、道路工事なんかをじーっと見ている子どもだったんです。それが具体的な行動に表れたのは、高校進学のとき。「ものづくりに携わりたい」と思って土木科を選びました。そう、この地域で盛んな木工ではなく。中学の先生は本当に大丈夫か?と心配していましたね(笑)。

設計したものが、いろんな人の手によって形になり、
未来に残っていく喜び。

公園やグラウンドは設計経験がかなりあるので、それが次の仕事の土台になります。相手に的確な質問ができ、また前回の反省を生かすこともできます。自分が少しずつ成長しているのを実感するのは、こういうときでしょうか。集中力がいる仕事なので、短いスパンで自分なりの目標を掲げて進めています。たとえば今日1日でやることをノートに書いておいたり、あとは基本の基本ですが「ほうれんそう」(報告、連絡、相談)を心掛けたり。任されていても、要所要所で相談してみんなで状況を共有し、意見を聞くなどして手戻りがないよう気を付けます。いろんな人が関わって完成させるチームワークの仕事なので、みんなを信じて助けてもらいながらやっていけば、それが達成感や充実感に繋がり、結果的に未来のまちに残るものになると思っています。

今の目標は、橋梁点検ができるRCCMの資格を取って仕事の幅を広げること。土木はライフラインを支えることで人々の安心安全を守ります。誰かの役に立っていることを忘れず取り組んでいきたいです。この世界も女性がふえてきて、会社も女性の活躍を見据えた体制が整ってきました。結婚や子どもを持つことも可能な働きやすい場所だと思います。私も居心地がよくて、17年も居ますよ(笑)。休日は家の手伝いやポテトを観てゆったり過ごします。今面白いのは韓国ドラマのサスペンスもの。俳優の名前はなかなか覚えられませんけどね(笑)。

担当するのは公共施設や学校など市役所の案件が多いそう。「細部まで確認しながらやるので集中力が必要です」。

取材日:2022年3月18日